なぜわたしたちは表示を求めるのかーGM推進派への反論


「すべての遺伝子組み換え食品に表示を求めます!」の署名 ow.ly/WEqe2 に対し、遺伝子組み換え推進派から「遺伝子組み換え原料自体に健康被害リスクは無いので表記を求める事に合理性がありません」「現在世界の研究者の認識は現在流通している遺伝子組み換え農産物によって健康被害は出ていない、です」などの投稿がされたので、それに対する反論をまとめてここに発表します。

まずは「世界の研究者の認識」というものについて。
ドキュメンタリー映画「遺伝子組み換えルーレット」の中ではこのように述べられています。
弁護士スティーブン・ドラッカー「44,000ページのメモや他の文書を調べ上げ、私はショックを受けました。
FDA(アメリカ食品医薬品局)が1992年から繰り返し嘘をつき続けていたのが明らかになったからです。彼らは遺伝子組み換え食品は安全だというのは科学界の圧倒的な総意だと主張していました。しかし彼ら自身のFDA内の科学者スタッフメンバー内ですら圧倒的総意を得たのは真逆の意見でした。これらの食品は安全と考えられるものではあり得ません」

Steven-M-Drucker

同じく、「遺伝子組み換えルーレット」より、責任ある技術研究所、ジェフリー・スミス
「FDA勤務の科学者たちで圧倒的なコンセンサスだったことは遺伝子組み換え作物は従来のものと同等ではないというだけでなく、それが危険だということでした。アレルギー、毒素、新しい病や栄養問題を引き起こし得るというものでした。このことは彼らは何度も何度もメモに残していたのです。彼らは長期間の研究の必要性を上司に訴えましたが無視されました。なぜか? FDAでこの政策の責任者はマイケル・テイラーだったからです。以前はモンサントの弁護士で、後にモンサントの副社長となり、現在はFDAに戻り、米国の食料安全の皇帝として君臨しています」

Jeffrey-M.-Smith

つまり真実の研究は、利権を握る人々の手によって葬り去られ、世の人々の目に触れないようになっている、ということです。一般に科学的研究だとして発表されているものは金の力によって捻じ曲げられたものだということです。

ラットを使った実験で遺伝子組み換え作物の害を明らかにしたセラリーニ教授の論文を掲載した科学雑誌が、後日論文を撤回したのも、モンサント社が自分たちの息のかかった人間をわざわざ編集長として送り込むことに成功したからです。良心ある多くの科学者がこの暴挙に抗議しています。

科学者の論文を待たずとも、実際に直接(加工品でなく)遺伝子組み換え作物を食べた人に体験談を聞いてみればよろしい。フィリピンでは、除草剤耐性と殺虫性の両方を兼ね備えた遺伝子組み換えコーンの栽培が広まっています。これを栽培すれば、儲かる!という宣伝に乗せられて栽培に乗り出した農民たちは、売るだけでなく、当然自分たちもそれを食べてみました。ところが、下痢をしたり、咳が出たり、あらゆる体調不良に見舞われ、「今は売るだけだ。もう誰も食べる者はいないよ」と語ります。
(「失敗の十年―GMコーンに騙さ れた農民たち」)http://altertrade.jp/archives/4722

フィリピンの農家の中には「誰も食べちゃいけないなんて、教えてくれなかったから」と語る人もいれば、「字が読めないやつも多いもんだから、食べちゃいけないとは気づかなかったんだ」という人もいます。後者の人は、(説明書を詳しく読めばきっとどこかに「食用禁止」と書いてあるんだろうけれども)という前提で語っていることが伺えます(もちろんどこにもそんなことは書いていないわけですが)。
それほどフィリピンの農家の中では「遺伝子組み換えコーンは人間が直接食べてはいけないものである。健康上明らかな害悪がある」ということが、実体験から得た認識として確立しているということです。

gmo concept

 

遺伝子組み換え作物の中でも、もっとも害がはっきりしているのは、殺虫毒素Btたんぱくです。Bt毒素を含む遺伝子組み換え作物を家畜に食べさせると、家畜も下痢をするなど、病気になりがちです。動物の種類によってBt毒素に対する耐性に違いがあるらしく、水牛は特に敏感なようです。
水牛に遺伝子組み換えを食べさせると死んでしまう、とフィリピンの農家は語っていますし、インドのある村では、13頭の水牛に1日だけBt綿を食べさせただけで、3日以内に13頭全部が死んでしまった、ということです。インドの例は「遺伝子組み換えルーレット」の中で語られています。

buffalo

インドで遺伝子組み換えBt綿を食べて死んだ水牛。映画「遺伝子組み換えルーレット」より

油などの加工品にはタンパク質は含まれていないので、少なくともBt毒素は含まれておらず、もしかしたら害はないかもしれません。しかし仮にそうであっても、遺伝子組み換え作物が引き起こすさまざまな環境被害(除草剤による環境汚染や、遺伝子汚染、生物多様性の減少、そして農薬による周辺住民の健康被害など)を問題視したり、遺伝子組み換え企業のあくどい商法に反感を持つ人は大勢います。
わたしを含むそういう人たちは、仮に害がなくても遺伝子組み換え作物は食べたくないのです。悪徳企業の売り上げに加担したくないのです。
そして、自分が食べているものに何が入っているのか、消費者には知る権利があります。それは消費者基本法にも明記されている、消費者の持つ当然の権利なのです。

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