暗黒法案が米下院を通過。大統領の署名待ち


全米初となるアメリカ、バーモント州の遺伝子組み換え表示義務化法(2016年7月1日発効)を無効化しようとする動きが、アメリカで何度となく繰り返されていますが、ついにその“暗黒法案”が7月7日に上院を63対30で通過。7月15日には下院までも306対117を通過し、現在オバマ大統領の署名待ち状態となっています。

アメリカ大統領には法案を拒否する権限がありますが、ホワイトハウスはオバマ大統領の署名を示唆したとのこと。法案の行方が心配です。

法案は、食品に遺伝子組み換えのものが含まれるかどうかについてバーコードで示してもいいというもので、その場合スマートフォンでバーコードを読み込んで調べない限り、遺伝子組み換えかどうかがわかりません。

また、何をもって遺伝子組み換えとするかどうかの定義が曖昧で、その判断が農務省の裁量に任されており、ゲノム編集などの新技術はおろか、現在広く使われている遺伝子組み換え技術でさえ、定義に該当しなくなる可能性があります。

また表示は任意であって、違反しても罰則はなく、しかも発効は2年後となっています。

つまり、遺伝子組み換え表示義務化を装いながら、表示の免除を保証するような内容の法案なのです。せっかく苦労して勝ち取ったアメリカ市民の知る権利を否定するこの動きに憤りを禁じえません。

現在アメリカのNGOはオバマ大統領が法案に対し拒否権を発動するよう呼びかける署名活動を行っています。

http://action.fooddemocracynow.org/sign/stop_Monsantos_corporate_coup/?t=10&akid=1911.449097.rRcPgw

オバマ大統領は上院議員だった2007年、「大統領になったら遺伝子組み換え表示を義務化する」と宣言した過去があります。ぜひ、その言葉に責任を持っていただきたいものです。

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