米国オレゴン州でGM食品表示義務化の運動開始 2014年5月20日 


アメリカでは遺伝子組み換え食品表示義務化の運動があちこちの州で起こっています。今日はオレゴン州の動きをロイター通信からお伝えします。

「消費者団体がオレゴン州で、遺伝子組み換え食品表示義務化の運動を開始

シェルビー・セベンズ

ロイター通信5月15日

遺伝子組み換え食品のより厳密な規制を求める活動家らは、5月15日、左傾的なオレゴン州でそうした製品への表示義務付けを問う投票をするよう求める署名キャンペーンを進める予定であることを明らかにした。

“オレゴンの知る権利”は、これはオレゴン州で加熱する遺伝子組み換え食品への闘いとして11月の投票を位置づけるための署名集めであると述べた。オレゴン州では、遺伝子組み換え作物を完全に禁止するかどうか、有権者が来週投票で決めることになっている。

『これは大きな運動になるだろう』キャンペーンの主催者である“オレゴンの知る権利”のスポークスマン、サンディープ・コーシック氏は述べる。『人々は自分や家族が食べるものに何が含まれているのかを知る権利がある、とわれわれは信じている』

このグループは、投票のために87213筆の署名を7月3日までに集める必要がある。もしも投票が通れば、遺伝子組み換えの原材料を含む製品には表示が義務付けられることになる。これは病気などに対する抵抗力を高める目的で、2016年の1月から施行されることになる。

消費者団体と、表示義務化を支持する議員たちは、遺伝子組み換え作物は安全性と環境への影響に懸念がある、と言う。表示は消費者が遺伝子組み換え作物を含む製品を識別し、それを避けたいと望む人は避けられるようにするのを助ける、とも述べる。

消費者の声に押され、アメリカの食品会社は次々と非遺伝子組み換えの原材料を使い始めている。遺伝子組み換え作物に対する消費者の反撥が背景にある。バーモント州は今月初め、遺伝子組み換え表示を最初に義務付ける州となった。

しかし遺伝子組み換え作物を遠ざけようとする動きは、食品産業と農ビジネスに動揺をもたらしている。遺伝子組み換えのコーン、大豆、キャノーラ(菜種)その他の作物を広く加工食品に使っているメーカーがそれにあたる。そうした会社は、それらの会社の製品は安全であり、表示義務化は消費者を混乱させ、コストを押し上げる、と主張する。

オレゴンの表示キャンペーンの一環として、南オレゴンの地域農業コミュニティが来週の火曜日(5/20)に遺伝子組み換え作物をすべて禁止にするかどうかを投票で決めることになっている。

オレゴン農業ビューロー公共政策の副代表であるケイティ・ファースト氏によれば、彼女の組織は、自発的な表示のための国の努力は支持するものの、遺伝子組み換え作物禁止には反対であり、地域の、あるいは州の表示義務化にも反対であるという。

2002年のオレゴン州の遺伝子組み換え表示義務化キャンペーンのときに、反対勢力のスポークスマンであったパトリック・マコーミック氏によれば、反対勢力は潜在的なコストの負担に焦点を当てたり、またそうした義務化によって利益が得られるのか疑問を呈するだろうという。

『結局は、製品に関する意味のある情報を、彼らが消費者に提供することはないんです』とマコーミック氏は述べている。」

アメリカでは11月の中間選挙(上下院の国会議員を選ぶ選挙)と同時に各種の選挙や信任投票、住民投票を行うことが多く、オレゴン州でも中間選挙にあわせた住民投票で表示義務化を問いたい、と消費者団体は狙っているようです。

去年のワシントン州、おととしのカリフォルニア州でも11月に同様の住民投票が行われましたが、食品企業やアグリビジネス企業が「表示をするとコストが増えて、食品の値段が上がる」などとする広告を莫大な宣伝費を使って頻繁に流したために、消費者に気の迷いが生じ、惜しくも否決されてしまっています。オレゴン州がその二の舞にならないよう願うばかりです。