ページタイトル-日本のGM表示のしくみ

 

日本では、遺伝子組み換え食品を販売する際には、その旨を表示しなければならない、と定められている。けれども、この決まりにいくつかの抜け道があるんだ。

① 組み換えDNA、およびそれによって生成したたんぱく質が残らないものには表示義務がない

表示の抜け穴1

組み換えた遺伝子や、その遺伝子がつくりだしたたん白質が、食品の中に残っていれば、検査でそれが検出できる。ところが、油や醤油などの場合は、それが残らないので、検査をしても材料が遺伝子組み換えかどうかがわからない。そういうものには表示義務がない、ということになっているんだ。

これによって表示しなくて済んでしまっている食品が実は圧倒的に多い。

表示義務のない食品群-2

遺伝子組み換えの餌を食べて育った家畜の肉や卵・牛乳・乳製品などの畜産品や、油、醤油、液糖、水飴、コーンフレークなどには表示義務がないんだ。

みんな、そうとは知らずに遺伝子組み換え食品を大量に食べているんだよ。

② 「主な原材料(原材料の重量に占める割合が上位3番目以内で、しかも原材料に占める重量の割合が5%以上)」にしか表示義務がない

表示の抜け穴2

 

4番目はGMスターチかも

たとえば、コーンスターチ(とうもろこしのでんぷん)には基本的に表示義務があるが、分量が少しであれば、遺伝子組換えであることが表示されない場合もある。

 

③ 5%以下の意図せぬ混入には表示義務がない

表示の抜け穴3

大豆やとうもろこしをコンテナなどで運ぶ場合、隅っこのほうに前回に運んだ作物が少しだけ残っていて、それが混じってしまう、という可能性が考えられる。そんなふうにして遺伝子組換え作物が少量混じってしまった場合でも、5%以下であれば、「遺伝子組換えでない」と表示していいことになっている。

微量混じるのは仕方ないことだ、と業者は主張するが、欧米では、この意図せぬ混入の許容率は0.9%ということになっている。日本でももっと厳密にやろうと思えばできるはずなんだ。
◇表示義務のある食品は流通していない

下に挙げたものには表示義務があるから、遺伝子組み換えの原料を使っていれば、そう書いてある。現実には遺伝子組み換え原料のものはほとんど流通していないんだ。

○大豆:豆腐・豆乳・納豆・味噌・大豆もやし・大豆の煮豆など

○とうもろこし:コーンスナック菓子、ポップコーン、コーン缶詰、コーンスターチなど

○じゃがいも:ポテトスナック菓子、冷凍じゃがいもなど

○アルファルファ:アルファルファスプラウト

○パパイヤ:生パパイヤ、ドライパパイヤなど

表示義務のある食品群-2

このしくみって、ちょっとおかしいんじゃない? すべての遺伝子組み換え食品にちゃんと表示をしてほしい!と思う人はこちらのページもぜひ見てほしい。


「サルでもわかる遺伝子組み換え」作者、安田美絵
による「超わかりやすい」自然食の総合講座です↓

教室バナー2019.3